PENTAX67Ⅱ + SMC 105mm / PORTRA 400
ヴィム・ヴェンダースの映画作品を観た。映画のタイトルは、”PERFECT DAYS”。この記事は、ネタバレになるかと思います。ご注意ください。
物語は主人公の平山(役所広司)の日常が淡々と映し出される。東京都の公園内に設置されているトイレの掃除業務を仕事とする彼の毎日のルーティン。ドキュメンタリータッチで描かれた映画作品です。なんともリアリティがある。主演している役所広司さんの演技がとにかく役にはまっている。「あれ、これはドキュメンタリーなのか?」と思わせるシーンが多い。ドキュメンタリー手法で撮影しているよう。ヴィム・ヴェンダーズ本人がインタビューで語っている。
平山が仕事の間に木漏れ日を見るカットは、光の描写が美しく印象的。平山の住まいは東京の押上。主人公の平山は時代をタイムスリップしたかのような古いアパートで生活をしている。どこか人生に納得してるようにも映る。話が進むにつれてこの人生は選択されたものだと知ることができる。浅草の飲み屋や、スカイツリーが何度も印象的に映し出される。
平山は決して贅沢な生活をしていないし、社会的な地位もない。でも幸せそうなのだ。微笑む平山を観て羨ましくなる自分がいた。人の役に立ち、自分の仕事をプライドをかけてこなす。彼の完璧な日常なのだろう。
この映画、本当に観て良かった。自分の身に照らし合わせて考えた。日々の生活の中に幸せを感じるきっかけづくりは、自分次第なのではないか。そんなことを感じさせてくれる映画だった。平山が朝起きて空を仰ぎ微笑むシーンがある。幸せをどう受け取るかはその人次第であることを感じさせてくれる。
ぼくは映画を観た後、自分のルーティンの棚卸しをした。日々変わらないような日常だけど、全く同じ一日はない。生きている今のことを、目の前で起こっている事実をちゃんと見つめること。その大切さを、この映画は教えてくれた。
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