この記事を書こうかどうか悩んだ。なぜ悩んだかというと、情報として曖昧だったから。しかし記憶に残したいと感じたので書きます。お伝えするのは、数分のラジオ番組。

その日のぼくは、仕事で車を運転することに。座席に腰掛け、キーをイグニッションに差し込み、時計回りにエンジンをかける。ブルルルッと振動が伝わり、ラジオが聴こえてきた。

車内のBGMは、FM JWAVE(81.3)が流れだした。左手に付けた腕時計でなんとなく時間を確認する。14時だっただろうか。番組では、写真家のハービー山口さんが出演しているようだった。

それは、新幹線での素敵な出来事。(若干、情報が異なる場合があります)

ハービー・山口さんが新幹線に乗る移動中でのひととき。前の座席の女性がリクライニングを後ろに倒す際、『後ろに倒しても良いですか?』とハービーさんに丁寧に声がけ。もちろん、快く承諾する。その時、ハービーさんは「この人はちゃんとした人だなあ」と感じる。新幹線を下車する際にも、改めて御礼を伝えられた際に、ふと横顔が素敵だったので、『写真家なんですけど、写真を撮らせてもらえませんか?』と提案。女性は少し戸惑いながらもハービーさんに撮影される。その後、連絡先を交換する。

その後、その女性にハービーさんは撮影写真をメールで送付する。受け取った女性は、五十嵐薫子さんという名前のピアニストで、「今日、不思議なことがありました。新幹線で写真家の方に素敵な写真を撮影頂きました」とツイート。多くの方から反響があったという出来事。※7900件のいいね(22年1月28日現在)


ぼくは、この出来事を車内でひとり、運転中に聴いていた。運転しながら脳内で、新幹線で実際に起きたであろう出来事を想像した。この話を聞いて、とても嬉しくなった自分がいた。知らない人同士が新幹線の座席で出会い、その何分かのやり取りでここまで話題になる出来事になるなんて。

「自分にはこういった出会いはないなー」と考えて一呼吸する。ふと、五十嵐さんの行動を改めて分析してみた。リクライニングを倒す際に、ちゃんと『後ろに座る人の気持ちを考えている』こと。

偶然にも、著名な写真家のハービー・山口さんが座っていたのは揺るがない事実ではあるけれど、きっと誰が後ろの席に座っていたとしても五十嵐さんは人の事を考え、声を掛けたのではないか。

「ここだ、ここがすごいのだ!」と、声を大にして言いたい (自分に…)

成功している人は、運が良いとされているけれど、しっかりと運が自分の近くに、味方になるように日々、種を蒔いている。ラジオの、ほんの一瞬の出来事。幸せのかけらを分けて頂いた気分だった。また自分への課題、発見を感じたひととき。多くの人がツイートに反応する理由も確かに、分かる。

運転しながら、一人「うっそお、すごいなあ」と独り言を良い、笑っている自分がいた。

今度、新幹線に乗るときは後ろを気にすることに密かに決めたのだった。

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