祖母が「お茶の時間ですよ」と声をかけてくれて、ちょっとしたお菓子と日本茶を出してくれた実家でのひとときが好きだった事を、自分で家庭を持ってから気がついた。そんな時間を子供にも与えたいと思い、急須と湯呑み一式を買い揃えた。正式に言うと、急須は元々あって、茶筒とかその周りのものを、長年使える物を選び購入した。

急須・湯呑み|南景製陶園

茶筒|開花堂

急須は何種類か大きさがあったけど、小さいサイズを選んだ。子供も頻繁にお茶を飲む習慣があるわけでもなく、自分がちょっと飲みたい時にも対応できるサイズを選んだ。客人の際は少し何回もお湯を注ぎ入れる事になるけど、滅多にない客人のことを気にするよりも手軽に使えるサイズだ。茶筒は一生使える京都の老舗の茶筒を選んだ。明治八年の創業から変わらぬ手法を守り続けている。その背景が素晴らしい。変化を楽しむことができる茶筒で、銀、灰、黒と、40年使い続けると最終的に黒色に変化する。良いお値段だったので、正直悩んだ。「一生使える物と考えると安いと思う」と自分を納得させて購入。色が変わる頃は、何歳だろうなあ、なんて考えたら楽しくなった。

一つ一つの選択をちょっと贅沢にしてみると、毎日が楽しくなる気がする。全てを一気に変えることは困難だけど、少しずつ理想となる環境に身を置けるように努力したい。