写真| FUJI FILM X-Pro3 + XF23mmF1.4R
好きな色はある?隣のクラスの女の子は、こう質問した。
学校の休み時間に、普段はあまり話さない女の子は、男の子に質問した。グレーかな。何色が好きなの?と男の子は答える。
あまりにも陳腐な、ちっとも面白くない答えだったな。と男の子は反省しながらも、少し照れ臭さを隠したく、その色を選んだ。
すると女の子は、瞳を大きく見開いて、力強く答えた。アオイロ!!
少しだけ、女の子の髪が揺らいだ。アオイロとは、空のアオだろうか、海のアオだろうか、瞳が語るその奥に、海のように深く、また宇宙まで繋がる空も感じることができた。そう、アオとはとてつもない色味なとだと、その一言で男の子は、感じた。
女の子は、男の子に近づいた。その瞬間、風が吹きカーテンが揺れて光が差し込んできた。照らされた教室の床は、差し込んだ光が放射線状に広がりを見せている。
床の木目と色が重なり、夕暮れ時の空を連想させた。アオイロに新しい色味が加わった。