写真|CONTAX T2 (PORTRA 400)
場所|伊豆大島 泉津の切通し

最近、後悔していることがある。それは、ある人の連絡先を聞きそびれてしまったことだ。

少し前の、暑い夏。まだ蝉が鳴く時期だった。公園でお友達になった長男と同じ5歳になろう男の子と出会ったときの話。その子は金髪で目が青く、思いっきりハーフだった。走るたび、ふわっと金色の髪がなびく。質問するとまっすぐ、こちらを見つめて答えてくれる、名前はS君だ。その子のお母さんの連絡先を聞こうかどうか、悩んだ。その結果、聞けなかった。聞かば良かったと、今でも後悔している。

子供は、友達になるのが上手だ。でも、相性の良い友達が作れるのは、運だと思う。一時間程度のやりとりだったけど、うちの子とS君の相性が良くて、「あ、今楽しそうだなぁ」と思う顔を長男が何度も見せてくれていた。

僕が連絡先を交換していれば、また会うこともできた。連絡先を聞かなかった理由としては、コロナの影響もあって、なんとなく聞かなかった。いや、そもそも相手がいきなり連絡先を聞いてきたら驚くよね。なんて、聞かなかった僕なりのいいわけを綴る。ぼくは父でありながら、友達を作るのが長男より、100倍下手なのだった。

家路につき、少し後悔したなぁと思った。長男と話をした際に「またS君と遊びたい!」と言われてしまった。会えたらいいねぇ。また、あの公園に行こうか。と伝える。

続けて長男はこう答える。「いいこと考えた!ラインで連絡すればいいんじゃない?」

出会うだけで連絡先がインプットされて、好きな時に連絡が取り合えたら何と素敵だろうと想像した。