写真| FUJI FILM X-Pro3 + XF23mmF1.4R

「ザザー」っとノイズが入るラジオを使っている。友人との飲み会の席で話をしたら笑いながらこう言われた。「えっ、ダイヤル式ラジオ。渋いですね。」

愛用中のラジオは置き型のラジオ。これを「ノイズラジオ」と呼ぶことにする。いつもチャンネルを合わせる際に「ザザー」とノイズ音が流れる。なかなかチャンネルが合わないのだけれど、コツがある。ダイヤルを回して、目指すチャンネル付近まで一旦通り越し、ゆっくりと戻す。最近はあまりこの手のラジオを使っている人に出会わない。そもそも、話題にも上がらない。この技術を伝授する人を、密かに募集している。

そんなぼくは、Spotifyの素晴らしさに心打たれてしまった。知らなかった訳ではないのだけれど、結果的に、すごく良かった。それも、音楽を聴くのではなく、Spotifyで限定配信されているトーク番組を聴くこと。満員電車でイヤホンひとつ、スイッチひとつで番組を聴くことができる。改めてノイズが無く流れる音声にワクワク感を覚えた。

ラジオでお馴染みのフリーアナウンサー住吉美紀さんの番組『その後のプロフェッショナル』を聞くのが楽しい。我が家のノイズラジオの欠点は、家事をしている最中に起こる。食器洗い中、洗い物の水道から流れる音と食器の音で、全くラジオの音声が聞こえなくなるのだ。これは、イヤホンを耳にセットすることで解決した。洗い物をしながら、この番組を聴くことを最近自分のルーティンに入れ込んだ。これが、なかなか良いのだ。住吉さんはゲストの少し難解な内容も噛み砕いて説明してくださる。また、聞いて欲しいところをしっかりと抑えている。まさに痒いところにも手が届く取材力。本当に勉強になる。登場するゲストのプロフェッショナルとしての考え方のすごいこと。皆さん、強い信念とプライドを持って働いている。人生の活力になる番組だ。

新しいものに対する抵抗感や、「あとでやろう」という後回し感。これが時代についていけない、ぼくの悪い点だと気がつく。いっそのこと、最近話題の「chatGPT」などを、いち早く導入してみようかとも思った。最新の技術に触れ合うと、そこから影響を受けた自分が、どう化学反応を起こすのだろうか。映画の世界で未来の話だと思っていた時代はすぐそこだ。空想のようなコンピューターの進化を、自分が感じたいと思うかどうか。今は個人が選べる時代だ。

ノイズラジオを継続する。これからの時代はハイブリットだ。

ラジオ | LEXON mini Dolmen