美しい、沖縄。
海はどこまでも青く、アクリル絵の具のように透き通る青い海。滞在したホテルの窓辺からオレンジとブルーのイソヒヨドリが出迎えてくれた。南国によく似合う。
観光としての沖縄県はさておき、自分はどこまで「沖縄が直面している問題」を認識できているだろうか?と考えさせられる映画を見た。沖縄に対して、何かできるのだろうか。そう考えたとき、できることはこの映画を広めることぐらい!なので、今回はこの映画を少しでも多くの方にご紹介したく、記事にしました。参考になれば幸いです。
『ティダの運命』佐古忠彦 監督作品
ティダとは、太陽を意味し、その昔「リーダー」を表す言葉だった。本作は沖縄のリーダーである「県知事」をテーマとした映画作品。監督は元アナウンサーの佐古忠彦氏。沖縄をテーマとした作品は他に「米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー」などがあります。
二人のリーダーに焦点を当てて物語は進む
映画は、沖縄の二人の県知事に焦点を当て物語は語られる。大田昌秀(1990ー1998)と翁長雅志(2014ー2018)のふたり。主に沖縄のアメリカ軍の基地移設問題に対して、県知事としての対応が焦点となっている。日本政府、アメリカ、沖縄県民。複雑に絡み合う、それぞれの意向。沖縄県知事としての最善の選択を迫られる。命懸けで職務を進める彼らの情熱を感じることができる本作。映画をみると分かりますが、文字通り「命をかけて」沖縄の問題と向き合っています。物語は当時の二人を取り巻く協力者にインタビューし、回想しながら過去から現代へと続いていく。
映画を通して、日本を見つめる
映画のフライヤーのキャッチコピー「沖縄には日本の矛盾が詰まっているー」は筑紫哲也氏の言葉。本編でも筑紫氏が主演するシーンは特に印象的に扱われている。ジャーナリストとして沖縄を捉えたとき、日本が抱える問題を俯瞰して見つめることができる。アメリカ軍による痛ましい、少女暴行事件にも本作では触れる。沖縄で暮らす人々はアメリカの脅威を常に身近に感じて生活している。映画の中で、本土と沖縄を分けて表現していることに気がつく。本土に暮らす私は、この事実を「自分事として捉えることができるのか?」と問われた気がした。知事のふたりが世代を超えて、この事件に関して「守ってやれなかった」と県民に謝罪する場面は、とても心に響きました。
客層・見るべき人は?
東京都の渋谷区にある映画館ユーロスペースで見てきました。客層的には平日ということもあって、50代後半の方が多かった印象。映画が終了すると一部、拍手するお客さんもいました。日本人ならば、みるべき映画だと個人的には感じます。過去の歴史を知ることは、本当に大切です。
まとめ・劇場情報
沖縄の基地問題はニュースで認識しているつもりではあったけれど、この映画を見ることで、改めて認識を深めることができます。県知事の苦悩や沖縄と本土の関係性、沖縄の現代史を時系列で分かりやすくまとめられているドキュメンタリー。気になった方は、ぜひ劇場に足を運んでみてください。